水稲の穂肥のタイミングは?幼穂の見分け方と追肥のコツを解説
「穂肥って、いつやればいいのか毎年ちょっと迷う」――そんな方は多いのではないでしょうか。
カレンダーの日付では決められず、早すぎても遅すぎても収量や食味に響く。穂肥はタイミングがすべてです。
この記事では、千葉県横芝光町で米を作る現役農家(TACHIFARM代表)が、穂肥の時期を幼穂の見分け方から具体的に解説します。
- 穂肥の最適なタイミング(出穂前の日数の目安)
- 幼穂の長さで時期を見分ける方法
- 早すぎ・遅すぎたときのリスクと猛暑年の注意点
結論からいうと、穂肥は出穂の18〜15日前が基本。田んぼに出て幼穂の長さを測れば、日付に頼らず自分で判断できます。
穂肥のタイミングは「出穂の18〜15日前」が基本

なぜこの時期なのか
穂肥は、穂のもとになる部分の発育を助け、籾数を確保して収量を高めるための追肥です。早すぎると茎葉ばかり茂って倒伏しやすくなり、遅すぎると籾数が増えず食味も落ちやすくなります。
この山場が、出穂のおよそ18〜15日前。品種や地域で前後しますが、まずこの範囲を基準に考えます。
2回に分ける「分施」も有効です
一度に効かせず、出穂18日前ごろと10日前ごろの2回に分ける方法もあります。
肥効を後半まで持続させやすく、倒伏を抑えながら登熟を高めたいときに向きます。地力や品種に合わせて使い分けましょう。
幼穂の長さで見分けるのが一番確実です

「出穂◯日前」は幼穂の長さで分かる
出穂の何日前かは、茎を割いて中の幼穂(穂のもと)の長さを測ると判断できます。
コシヒカリでの目安は次のとおりです(品種・地域で前後します)。
| 幼穂の長さ | 出穂までの日数の目安 | 穂肥の判断 |
|---|---|---|
| 約1mm | 約25日前 | まだ早い |
| 約0.8〜1cm(8〜10mm) | 約18日前 | コシヒカリ1回目の穂肥の適期 |
| 約2cm(20mm) | 約15日前 | 遅れないうちに施用 |
| 約8cm(80mm) | 約10日前 | 2回目(分施)の時期 |
千葉県で生産をしている私たちは7月上旬に追肥しました。
幼穂の測り方(現場のやり方)
- 畦から1m以上入った株を選び、一番大きい茎を1本抜く
- 根元から茎を丁寧に割いて開く
- 中にある半透明の幼穂を探し、定規で長さを測る
何株か測って平均で判断すると確実です。慣れれば数分でできます。
早すぎ・遅すぎのリスクと猛暑年の注意点

早すぎると倒伏、遅すぎると籾数不足
| タイミング | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 早すぎる | 無効分げつ・茎葉の過繁茂で倒伏しやすくなる |
| 適期(18〜15日前) | 籾数を確保しつつ倒伏を抑えられる |
| 遅すぎる | 籾数が増えず、食味・品質が落ちやすい |
近年の猛暑では「葉色を見て慎重に」
高温年は生育が前進しやすく、肥効も強く出がちです。葉色が濃いのに暦どおり施すと、倒伏や品質低下を招くことがあります。
葉色(葉色板)と幼穂長の両方を見て、濃ければ量を控えめに――が近年の基本です。
穂肥の作業がきついなら、散布代行に任せる手も

穂肥の時期は梅雨明けと重なり、暑い盛りに肥料を担いで田んぼに入る重労働になります。
ドローンなら中干し後のやわらかい田んぼに入らず、上から均一に追肥できます。適期の判断はご自分で、まく作業だけ手放すという分担も可能です。
🔗 ドローンでの散布代行の料金と内訳はこちら:ドローン農薬散布の料金相場は?水稲10aの単価と総額を千葉の農家が解説
まとめ|穂肥は日付でなく「幼穂の長さ」で決める
- 穂肥の基本は出穂の18〜15日前。品種・地域で前後する
- 幼穂の長さで判断でき、コシヒカリは約1cmが目安(出穂約18日前)
- 早すぎは倒伏、遅すぎは籾数不足。適期がいちばん収量が安定する
- 猛暑年は葉色を見て量を控えめに
- 2回に分ける分施も、倒伏を抑えつつ登熟を高めたいときに有効
穂肥は毎年の勘に頼りがちですが、幼穂を測る習慣をつけると失敗が減ります。
TACHIFARMでは現役農家が農薬散布・肥料散布の代行を承っております。
散布作業の負担が気になる方は、追肥だけでもお気軽にご相談ください。